« 2026年6月 | トップページ | 2026年8月 »

2026/07/21

オープンソース電子書籍リーダー『yomikake』

DRMフリーのePubを読むための電子書籍リーダー『yomikake』を開発、公開しました。

https://github.com/ayati/yomikake

MITライセンスですので、本体のHTMLをダウンロードして、ローカルに置いて開いたり、ご自身のWebサイトに設置して無償で利用することが可能です。

無料で使える動作サンプル(もちろんフル機能を自由に使えます)も後述の通り用意しています。

 

たとえば、PCで開いたときの画面で、『読みかけリスト』の表示はこんな感じです。

Yomikake01

ブック一覧表示だけでなく、カード式の『読みかけリスト』表示は、たとえばスマホの画面だとこんな感じです。

Yomikake03

読書中の操作は、お好みで4パターン用意していますが、たとえばL字型パネルのタッチ(PCではクリック)操作ガイドを見るとこんな感じです。

Yomikake02

L字以外にも、上下、左右、ボタン式も選べます。

Yomikake05

フォントもお好みで色々選べます。手持ちのフォントファイルを取り込んで表示することも可能です。

さらに、フォントはボールド化表示もできる上、ボールド体に加え、縁取り描画によって、さらに太く疑似ボールド化を3段階で追加できます。

 

Yomikake04

本文全検索が可能です。

目次タブから検索タブに切り替えて、たとえば超長編小説の登場人物の名前を入れると、全文検索結果が一覧で表示され、ジャンプできます。

なお、目次タブは本来の目次に加え、プログレスバーでの章ジャンプもできます。検索やジャンプで別のページに飛んだ後に少し読んで、また別の検索結果にジャンプして少し読んで、元に戻りたいときも、ジャンプ履歴が少し残っていて戻れますし、読書開始したときの位置も記憶していてすぐ戻れます。手動でしおりを挟んでからジャンプするような手間は不要です。
ジャンプ履歴は本を閉じるとクリアされます。

Yomikake06

自分で使いながら使い勝手を上げていきました。特にWeb小説では、紙本だと数十冊に及ぶ作品が1作品としてサイトに登録されていることがあります。一方で、数話の小品もありますし、連載途中で十数話の場合もあります。

Yomikake07

そこで、概算の予測読み終わりまでの残り時間を表示する機能があります。読みかけ一覧で残り時間が少ない順にソートして表示できるようにもしています。

読書データ画面もあり、残り時間以外に、何週間連続で『yomikake』で読書したかとか、何時間累計で読書したかとか、読書時間の多寡をgithub風週グラフカレンダー表示できます。

Yomnikae08

読書データでは、『yomikake』で何冊読了して、何冊が読みかけかや、読了した著者のランキングなどを自動で作成して表示できます。

Yomikake09

 

yomikake.htmlはgithubで無償配布しています。

また、実際に動作させているサンプルもあります。

https://www.ayati.com/book/yomikake.html

PCのChrome(やEdge)、MacBookやiMacのSafari、AndroidのChromeなどの一般的なモダンブラウザで動作します。

 

iOSのSafariは機能の削減や制限が独特のため、専用版を別に作成しています。

iOS専用版の動作サンプルもあります。

https://www.ayati.com/book/yomikake_ios.html

 

現在、amazon社のkindle、楽天社のkobo、Google社のPlay Books、apple社のapple booksなど、プラットフォーマーのDRMで暗号化されて、アカウントが停止されたり、サービスが停止したりすると読書できなくなったり、自分の蔵書と思っていた本たちが消えてしまうリスクがあります。自分もkoboやkindleでそれぞれ百冊以上本を買っていますけれど、紙で買った本が確実に手許にあるのに比べ、DRM付の電子書籍はサービス提供社のサービスの範囲で一時的に読める権利を買っているだけです。自分の蔵書ではありません。

紙の本を買って、自炊(裁断とスキャンを行って自分で電子化する作業)すれば、サービス提供社主体でなく、手持ちのデータ主体で電子書籍ライブラリを構築できます。裁断やスキャンは手間がかかりますけれど、大量の本を物理的に自宅に保管するのも、容積、重量、そもそもの場所が足りなくなることも多く、整理も大変です。

青空文庫のように著作権フリーの書籍をボランティアベースで作成して提供しているサイトもあります。

近年では、Web小説投稿サイトに膨大な作品が登録されています。玉石混交とは言いますが、紙書籍化されて発売されるとベストセラーにのる作品も確かにあり、実際とても面白く、楽します。Web小説もまた、すでに書籍文化のうちの大きな一部です。

 

DRMフリー電子書籍を楽しむ『yomikake』をはじめとした、ePubを読んで自分が読書を楽しむための、様々なオープンソースソフトを開発しています。

自分のためなので、自分が実際使って、こんなのがあったらいいな、というものを作っています。現時点でも以下の図のように、一通りDRMフリー電子書籍スイートができています。

基本コマンドラインのツールで自分に合わせて作っていますけれど、inputのツールはWindows用のGUIの皮も開発し提供しています。

『yomikake』に至っては、たいていのモダンブラウザで使えます。なんならHTML一枚だけでも基本動作します。

オフラインでの動作も、フェリーで長時間圏外を旅したときの経験から、基本動作可能で読書できるようにと作成しています。

しおりはデバイスのブラウザに自動保存されています。ただ読むだけです。

複数のデバイス、たとえば、Windows PCとMacbookとAndroidスマホとiPhoneとタブレットで読書する場合は、Google Driveでしおりを同期する機能もあります。Google Driveしおり同期のためには、yomikake.htmlをローカルに置くだけではなく、Webサイトに設置してhttpsでアクセスできるようにする必要があります。MITライセンスで無償公開配布しているので、Webサイト構築ができれば可能です。

 

DRMフリー電子書籍スイートはこんな感じの構成になっています。すべてオープンソースで無償配布しています。こんな選択肢もあるのです。

Yomikake_suite_flow

| | コメント (0)

2026/07/14

Ayati昭和明朝フォント  ウロコ低減により本文書体として見やすく改修しました

AyatiShowaSerifですが、色々いじりすぎて一部データを壊してしまっていました。

あらためてAyatiRoundedSerifから作り直してみます。今回、ウロコの低減を漢字に対して実施しています。

小説本文を読むのは明朝体が良い、と思っていて、ゴシック体の個々の文字の視認性の高さは素晴らしいけれど、文章全体を流れて読んでいくときには、ちょっと違うように感じていました。ひらがなが見やすい反面文章の中で主張が強すぎるし、漢字は美しくありません。


鉄眼禅師一切経の現物を見に行った時、横画は平行線だけれども終筆は装飾的な三角形のウロコではなく、やや下に下がるか、わずかに太くなって止めている方が一般的でした。縦画が太く横画が細いというのも、横画の本数が多い漢字に対応する場合の話であって、写植の頃の異常に横画が細くなった書体では断じてありませんでした。鉛活字ではインクの滲みである程度の太さが担保されていましたが、写植以降の印刷漢字書体は細すぎて視認性を落としているように感じます。
UDフォントの明朝体では、縦画横画を極力同じ太さにしていたりしますけれど、これもおかしな話で、漢字は横画が多いことがしばしばあるため、適度に横画を細くするのは合理的な理由がありますし、文書を流れで読んでいると一文字の視認性よりも文章の中の濃淡と漢字熟語の形のパターンで認識して読書しているように思います。
今のフォントの明朝体は細すぎます。視認性を高めるためにもうちょっと太めにすべきで、縦画と横画は極端に太さに差をつけるのではなく自然に横画の方がやや細い漢字が多くなる、というのが妥当だと思います。
また、ウロコなどの装飾は、まるでそれが明朝体の証しであるかのように設計されたりしていますけれど、そこまで装飾的な▲を横画終筆に付けまくると文章全体がギザギザとノイズの多いものとなってしまって読書の流れを妨げると感じています。
UD明朝から縦画横画をいじったのがAyatiRoundedSerifで、ひらがなを昭和初期の活字を臨書して書き起こしたのがAyatiShowaSerifでしたけれど、フォントデータをいじくっていてずいぶん壊してしまっていました。
今回、AyatiRoundedSerifを出発点にして、ウロコを低減し、高さ半分弱くらいにしてみました。
20260714-204623

スクリプトで処理したので、一部のウロコは低減できていません。そもそも終筆の止めではなく、横画の後左上に筆をつなげるためにはね上げるように動かした後も三角形の横画終端になるので、機械的にすべて減らすのも正解ではないようです。

 

 

20260714-204256

20260714-204421

 

パッと見あまり変わりないように見えますけれど、本文にして小説を読んでいるとひっかかりが減ったように感じました。

フォントデータのおかしくなっていたところも直して、一旦ここで公開します。

 

無償配布、SIL OPEN FONT LICENSE Version 1.1です。

https://www.ayati.com/font/AyatiShowaSerif_20260714.zip

レギュラーとボールドの二種入っています。そのまま使うならボールドの方が見やすいと思っていますけれど、さらにボールド化したらすっかりつぶれてしまいますので、お好みで。

 

 

『読みかけ』 ePubリーダーなどに取り込んでも使えます。

https://github.com/ayati/yomikake

https://www.ayati.com/book/yomikake.html

https://www.ayati.com/book/yomikake_ios.html

 

なお、ひらがなを入れる前のウロコ低減AyatiRoundedSerifはこちらです。

https://www.ayati.com/font/AyatiRoundedSerif_20260714.zip

 

Ayati昭和明朝フォント
---------------------
2026/07/14
Nobuaki Aono ayati info@ayati.com


これらのファイルは、Ayati昭和明朝フォントです。

太平洋戦争前の、鉛合金活字による活版印刷物の文字を使いたくて、
Ayati文庫かなフォントを制作しました。
昭和15年頃刷られた文庫本を見ながら、ひらがなとカタカナをiPad mini6で臨書し、
臨書画像データを背景画像にかなフォントをまったく新たに制作しました。
ひらがなとカタカナだけではフォントファイルとして使いにくいので、日本語漢字フォントファイルと
合成してAyati昭和明朝フォントを作成しました。


Ayati昭和明朝フォントは以下のフォントを改変して制作しました。
BIZ UDMincho
https://fonts.google.com/specimen/BIZ+UDMincho

縦棒を太く横棒は細くし、半濁点を大きくし、(半角)数字のゼロに斜め線を入れています。
ウロコ(漢字の横画の右端に見られる小さな三角形の飾り)を高さ半分弱に低減しています。

乱視(倒乱視)に老視(老眼)が加わった状態で液晶画面の細かい文字を読むときの
視認性を重視して、自分用に改変したものです。
明朝体フォントは横棒が不当に細く感じていますし、UD明朝や教科書体は縦棒横棒の
太さを同一にしすぎ、ボールド体は太すぎると感じる個人的な好みから変更しています。
数字のゼロに斜線を入れたり半濁点を大きくしたのはお約束です。

自分用として、ブラウザのフォント設定で固定幅フォントとして使っています。

 

ライセンス
----------
2026/07/14

「SIL OPEN FONT LICENSE Version 1.1」によるライセンスです。

同梱の
LICENSE.txt
の通りです。

この日本語訳は、以下から参照することができます。
https://licenses.opensource.jp/OFL-1.1/OFL-1.1.html

AyatiShowaSerif.ttf
のメタデータで改変元フォントの著作権表記を参照できます。

 

| | コメント (0)

« 2026年6月 | トップページ | 2026年8月 »