iPhoneの革新したもの1
iPhone風UIのiPod Touchが発売となりました。9月末には広く入手できるようになるでしょう。
日本では電話として使えないiPhoneですが、iPod Touchなら既にアップルストアで予約受付中です。ようやく日本でもiPhone風UI「まったく新しい指先の体験」が楽しめるようになります。
iPhoneの革新したもので、第一に挙げられるのはこの指先の体験です。WindowsMobile端末の感圧式タッチパネルや、Wacomの電磁誘導タブレットや、BlackBerry型QWERTYキーボードとは全く異なる入力用ハードウェアの上に、とても美しく楽しい操作を体験することができるようになっています。
WindowsMobile端末に広く採用されている感圧式タッチパネルは、ポイント誤差が大きく、表面が弱く傷つきやすく、センサーフィルム下の液晶の明瞭な表示をさまたげて視認性を低下させるという欠点があります。OQOなどに採用されている電磁誘導タブレットは、専用ペンでないと反応しないという欠点があります。BlackBerry型QWERTYキーボードは、キーボード面と液晶表示領域は排他になるという欠点があり、また、言語ごとに異なるキーボード部品を用意する必要があります。
iPhoneのタッチスクリーンは、傷つきにくく、表示が明瞭で、指で操作するため別途ペンを携帯する必要がありません。これは恐らく、表面が丈夫なガラスで構成したタッチセンサー機能内蔵液晶の採用によるものでしょう。液晶の上に感圧フィルムを乗せる構成でない部品は、シャープの製造が予定量に満たずに他ベンダーへ発注したとの記事が見られます。
外側が丈夫なガラスでできたiPhoneのタッチスクリーンは、保護シールを貼らずにラフに扱っても傷が付きにくくなっています。アバウトあやちがリュックのポケットに放り込んで毎日持ち歩いても、傷がついていません。
iPhoneの液晶は、室内でも屋外でも直射日光下でも暗闇でも、とても美しく見やすいです。iPaqあたりで同様の機能があったように、外光の明るさをセンターで検知し、バックライトを自動調光しているのでしょうけれど、調光がひどく的確なため、ユーザーはまったく意識することなく常になぜか見やすい画面のiPhoneを扱っています。外出時に慌てて輝度を最大にしたり、まぶしいのでバックライト輝度を下げたりという手間は一切ありません。呼吸するように自然に、いつでも見やすい画面表示です。
センサーを使って自然に実現しているのは、加速度センサによる縦横表示切替機能です。楽曲一覧のCover Flow表示も、iPhotoやカメラ機能による写真の画像表示は、iPhoneを縦に持っているか横にしているかで自然にすぐに切り替わります。Windows Mobileのように縦横切替えの描画のもたつきを見るだけでげんなりするようなことは、iPhoneでは一切ありません。
iPhoneを手にして、最初に感動するのは、スクロールでしょうか。
楽曲一覧などの画面で、指ではじいて慣性スクロール(昔懐かしい「猫の手スクロール」と言っても通じませんよね、そうですよね)する感覚は、コンピュータと紙のどちらが良いかという古くて新しい議論を思い出します。
iPhoneならではのまったくユニークでオリジナルな操作は、二本の指の動きで、つまむようにしたり、広げるようにしたりして縮小拡大の操作ができる機能でしょう。
Mapsのアイコンで起動するのは、Google MapsのiPhone版です。これが一番凄い!
普通に地図を表示するのは、他のスマートフォンと何も変わりありません。
二本のゆびでつまむようにスクリーンにさわり、その指を広げるように動かすと…、
地図がズームされます。反応は小気味良く高速で、ストレスはありません。快感です。
PC上でマウスで操作するよりずっと気持ち良いです。
ズームアウトも同様です。広げた二本の指をつまむようにすべらせれば、
広域地図へと移り変わります。
かつてNewton MessagePadの「ジェスチャー」で、ペンでぐしゃぐしゃするとその文字や絵を消す機能に感動したことを思い出しましたけれど、iPhoneのマルチタッチテクノロジは当時のいわゆるPDAのジェスチャー機能と比べても、ずっと分かりやすく、だれもが肩肘張らずに自然に使えるように完成されているように思います。
iPod TouchにMapsのアイコンがないのは、だからぼくはとてもとても残念です。iPhoneの革新したものを誰もが分かるように一発で示すには、一番良い例だと思うからです。
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