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2006/10/05

狼と香辛料(蟻地獄スーパーボーナスに臨んで)

狼と香辛料
「狼と香辛料」

10月1日にVodafoneからSoftbank mobileになりました。9月30日までは、ハッピーボーナスからスーパーボーナスに乗換えると継続期間を引き継げたのに、Softbank mobileになった10月1日からは予告なく突然にゼロからになり、2年間ハッピーボーナスを継続して来て3年目になる人も、スーパーボーナスにすると1年目からやり直しです。継続年数により割引率が増える仕組みなので、もちろん今までVodafoneユーザーだったらスーパーボーナスにすると損です。
しかし、10月からはショップで機種変(買い増し)すると、実際問題、スーパーボーナスにされてしまうため、結局継続年数リセットされ、Vodafone契約時に提示された11年目の大幅割引は夢と消えるわけです。
今までのお得意様をないがしろにするやり方です。

ソフトバンク、スーパーボーナスでは長期割引が引き継げない(ケータイ Watch)

では新規ユーザーならおトクかと言うと、そうではありません。
今までは、Vodafone3Gの電波が使い物にならなかったり、他社の方が魅力的なサービスを提供していたり、他社の方が実際安価だったり、生活環境が変わったりした場合に、ハッピーボーナスなら10500円の違約金を払えば済むのに対し、スーパーボーナスは最大54720円の支払い義務が残ります。これは端末代金のローンなので支払わずに済ます裏技はありません。ケータイを契約したつもりが、ローンを組まされているわけです。しかもローンの期間は自由に選ぶことはできず、2年3ヶ月24回払の一択です。これは実質2年3ヶ月機種変出来なくなる制度です。普通に13ヶ月くらい同じ機種を使って、電池も持たなくなったし落っことして接触不良みたいな感じで調子悪いから、もう一年以上使っているんだし機種変するか、とショップに行くと、あなたのローンは29640円残っているので、一年以上前に買った端末の残額を支払い、さらに新しい端末の頭金を支払わなくてはなりません。2年3ヶ月に満たないうちに新しい端末にすると、最初に説明を聞いて契約したときには確かローン相当額をソフトバンクが払うような説明だったように記憶しているのに、その「スーパーボーナス用特別割引」
は買い増しや機種変更や解約すると要するになくなってしまうのです。


スーパーボーナスを、インセンティブによる高価な基本料や通信通話料という、日本の歪んだケータイ事情を革新するものだと、良く調べずに印象だけで思い込みがちですけれど、実際はそうではありません。ここは大事なところです。

インセはなくなっていないどころか、他のプランを選ばせずにスーバーボーナス契約させるためのインセを払ったりとか。従来キャリアや販売店のリスクだったインセの回収を、ユーザーにローンを組ませることで逃げ道なく明確にユーザーに負担させ、でも基本料や通信通話料は下げないよ、というキャリアにとっては優れた制度です。勘違いしてはいけないのはキャリアにとってのインセの弊害をなくす制度だけれど、ユーザーにとって基本料や通信通話料が安くなるわけではないことです。また、月々のローンもソフトバンクが払ってくれるのではなく、ユーザーが基本料等の名目で今まで通り払っているのです。


また、例えば同じ端末を長期間、例えば3年も使うようなユーザーならスーパーボーナスは得だと言う向きがありますが、これもちょっと違います。
なぜなら、基本料や通信通話料は決して値下げしていないからです。2年3ヶ月を過ぎるとスーパーボーナス特別割引は終わってしまいます。(Vodafoneの場合一台あたり44000円の)インセンティブを月々の基本料通信通話料の名目で後から徴収している現在の歪んだやり方による月々の高額な支払額はそのまま継続しているのです。本来、27ヶ月目以降も値引しなければ、インセ廃止による値下げとは言えません。2年3ヶ月より長く同じ機種を使い続ければ、今までのビジネスモデル同様に、本来あるべき料金より高い月々の支払いをしなければならないわけです。

端末代金はローンを組まされるため必ず指定金額を支払う債務が生じる、どんなに安物の韓国製端末でも(例えば3G新規で店頭で1円表記でもそれはあくまで頭金の話なので)1880円×24回=45120円は必ず支払わなくてはならない、なのに割賦の期間を全く選べない、基本料通信通話料は値下げしていない。
要するにソフトバンクにはメリットはあるが、ユーザーにとってはがんじからめに不自由なプランです。
さらに問題は、10月1日から基本的にスーパーボーナスしかうけつけなくなったことです。

一部のショップ(ジャスコとか)では、これに対応できず、現在でもハッピーボーナスの契約を受け付けています。しかし、この特別措置店もその特例はたいてい今週までのようです。
要するに秋冬モデルが発売になると、スーパーボーナス以外の、たとえば先月までメインだったハッピーボーナスでは既に契約できなくなっている、というわけです。
従来からのVodafoneユーザーが、魅力的な秋冬モデルに機種変(買い増し)すると、スーパーボーナスにさせられ期間リセットで1年目からとなります。継続契約が不可能ではないはずですが、従来のような金額で普通に機種変しようとすると、基本的にはスーパーボーナスをすすめられ、実態としてはSoftbankから端末を買うならスーパーボーナスへと導かれてしまうわけです。この辺は匙加減なので、たとえばスーパーボーナス価格とそれ以外の価格を調整したり、ショップへのインセでスーパーボーナス100%を目指させるとか、逆に継続割引は契約を拒否しなかったり、従来からのハッピーボーナスの機種変(買い増し)も受け付けたり受け付けなかったりといったことは、ソフトバンクが好きに調整できます。もちろんユーザーが調整できるのではありません。

これにともない、以前のような白ロム端末(SIMだから白ロムというのは適切ではないでしょうけれど)がヤフオクで安価に入手できることもなくなってしまうでしょう。新規即解が金額的に難しくなるため相当高額でしかヤフオクや白ロム屋に回らなくなるでしょう。(入手するならせいぜい今月でしょうね、すぐに大変高額になり、ほとんど出回らなくなることが予想されます)

ナンバーポータビリティで新しいケータイを選ぶときに、端末の比較だけしてキャリアのサービスをよく検討しないと、後で後悔することになります。あれだけ派手な広告を出しているソフトバンクだから、さすがにそんな非道いことはないだろうなどと思う人は、詐欺師に気をつけた方が良いかもしれません。
あるいは、あまりにひどいプランだから、きっとユーザーの反発を受けて改善されるだろうなどと思う人は、スーパーボーナスが考えに考え抜かれて始まった施策だということに気づけていないのでは。ローンは当然ソフトバンクグループの金融会社との契約です。うまいことできています、ユーザーがないがしろにされること以外は。不評だからやめますとか、ハッピーボーナスに戻します、などといったことはありえません。

スーパーボーナスしか選べなくなったソフトバンクモバイルは、NOKIA使い以外には、正直選択する理由がないキャリアだと思います。Vodafoneユーザーも、どうせ継続年数リセットされるならauからDoCoMoにした方が良いに決まっています。2年縛りでも良いならauのMY割の方が良いでしょう、実際たいていSoftbankのスーパーボーナスより安いし。家族割で3回線以上契約していると、料金面では確かに他キャリアと比べても安いのですが、機種変が2年3ヶ月目ごとにしかできなくなる(できるけどすると支払い金額が生じるので、他キャリアより安いとは限らない)という不自由を背負い込む羽目になります。
Vodafoneに家族割3回線以上契約で残っている場合も、気をつけておかないと、だれかがスーパーボーナス契約してしまうと逃れられなくなるので、タイミングをはかって一斉引越するのが自由への道でしょう。


最初くらいは目新しさもあって加入者があっても、実態が口コミで広まれば、ソフトバンクモバイルはauとDoCoMoへの加入者供給元になることでしょう。


LOVE定額使いと、NOKIA使いだけは、悲しいことに他社の選択肢がありません。
いや、LOVE定額使いはWILLCOMという選択肢がありますが、NOKIA使いには選択肢がありません。

ノキアジャパンからスタンダート端末を購入しFOMAでmoperaUという手は、ぼくが今使っていますが、まあ道楽だから支払いが高額でも笑っていられるわけです。普通はありえないでしょう。そもそもスタンダード版は6630ただ一機種だけです。6630は、Vodafoneで言うと、現行機種802NKの前の機種の702NKIIのさらに前の機種702NKにあたります。


嘘の儲け話なら、注意深く裏をつけば逆に儲け話になる、そんな行商人になろうとしても、メディア商会の追っ手に囲まれたロレンスには逃げ道などありません。

願わくば、恐怖の神としての狼よりも娘の姿のネットワークオペレータを道連れに、ピリリと利いた香辛料のようなスマートフォンを持って、旅をしたいものです。

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コメント

はじめまして、Ryoといいます。
記事を読んで驚愕しました。
10/1以降の契約形態などあまり調べもしないでいたらエライことになってるんですね。

もしかしたら良い方向にすすむのかもしれないと淡い期待を抱きながら、機種変しようとポイント貯めてたりしたんですが、記事を読ませていただいて、Softbank mobileに呆れてしましました。
半ばこのようなことになることを予測こそすれ、実際に実行に移すとはユーザ軽視にも程がありますね。

時期をみてウィルコムに乗り換えようと思います。

投稿: Ryo | 2006/10/05 23:24

誤解されそうなので書いておきますと、ぼくは現在auを使っています。で、10月24日からのMNPで、Softbank mobileに移ろうと思っています。

X01HTという真っ当ないわゆるスマートフォンを、(もちろんSIMロックなどの制限は加えるにせよ)広く一般に販売し、(制限があって高価ではあっても)定額プランを提供する、というのはぼくには魅力的です。

また、スーパーボーナスも、たとえば6万円なり8万円なりの端末代金を最初に一括で払う覚悟さえあれば、なかなか使えるプランだと思っており、実際スーパーボーナス契約で新規加入の予定です。24日の時点でも、秋冬モデルをハッピーボーナスで契約できれば、最初そちらにしようと思って調べたら、今週の段階での情報では、こんな感じになっているんだなあ、ということです。

ユーザーにとってのリスクやデメリットについて声を上げていけば、改善されるのではないか、という期待を持っています。

スーパーボーナスはややこしくて理解しにくいです。Softbankショップではいいことを前面に出して説明するのですけれど、こういった個人のブログでは悪いことや良くないことの予想を前面に出して声を上げることができるのでそうしています。

このエントリを読んで、自分で確かめずに感情的にSoftbankひどい、と思ってしまうのも、また危険です。


実際、現在は春モデルへの機種変(買い増し)なら、価格差なしにハッピーボーナスを継続できます。
中途半端なMOBILERさん

だたし3G→3Gの話です。従来ユーザーの多い2Gから3Gだとスーパーボーナス強制ですね。
それぞれのユーザーによって事情が違うので、どうかご自分でご確認ください。

ソフトバンク系列のニュースサイトにも、
ソフトバンクの料金体系、このままで大丈夫?
のように取り上げられているのですが、改善されるのでしょうかね?

投稿: あやち | 2006/10/06 07:39

Act.15「時をかける“スーパーボーナス”」(ケータイWatch)


ようやく、ケータイWatchでも、きっちり取り上げてくれたようですね。

「少なくとも筆者は乗り換えるメリットをまったく感じない。ただ、一部の販売店では機種変更に際し、スーパーボーナス加入を必須にする動きもあるという。 」

投稿: あやち | 2006/10/06 12:36

レスありがとうございます。

>>このエントリを読んで、自分で確かめずに感情的にSoftbankひどい、と思ってしまうのも、また危険です。

確かに。少々自サイトでは先走った感もありました。しかしながら調べれば調べるほど呆れてしまうのも事実でした・・・。

あやちさんはauからの移動なんですね。
新規契約なら機種本体の購入方法として確かにスーパーボーナスは有りかもしれないとは思います。

ただ、既存ユーザにとっては弊害以外のなにものでもなく、3Gへの移行すらままならない状況に追い込まれているといえます。
自分はJ-phone時代からあわせて現在7年目のユーザなので、今回の措置はかなり受け入れ難いです。

中途半端なMOBILERさんのサイトにも記載されてましたが、元々SoftbankがVodafoneを買収するときに掲げていた"既存サービスの継続"もかなり限定されてますし。
3Gへの移行を散々促しておきながら3Gへ移行したらそれまでの年間割引が生滅っていうのは正直厳しすぎます。

なんにせよ、既存の長期継続ユーザ(特に2G)にとっては強制移行な部分が多く既存ユーザ切り捨て感は否めません。

MNPは乗り越えられるかもしれませんが、おそらくその後に発生する(今も発生してますが)苦情や批判によって多少改善されるかもしれません。ですが、一個人としては年割やハッピーボーナスが特にアナウンスなく(受け付け)終了している点なども正直気持ちのいいものではなく、こういった態度をとるSoftbankとは年割が終了する時点(12月)でお別れしようと思います。

ユーザの意見によって一時的に改善するかもしれませんが、時間が経過すればまたキャリアに有利な方へシフトさせようとするのは目に見えていますし。

もしかしたら2G⇒2Gで機種変して現プランを継続して様子見するかもしれませんが。
いずれにせよMNPの動向・Softbankの対応次第ですが。

>>こういった個人のブログでは悪いことや良くないことの予想を前面に出して声を上げることができるのでそうしています

非常にありがたく感じています。
下手したらうちの奥さんが勝手に機種変したりしてたかもしれません。
現状把握が出来てよかったです。

これからも率直な意見・記事、期待してます。

投稿: Ryo | 2006/10/06 12:45

Ryoさん、こんばんは。

J-phone時代からあわせて現在7年目のユーザですか!

それでは許せないのが当然ですね。

確かに、2Gでいけるところまでいくくらいしかでしょうか。

ひどい仕打ちで顧客から信用を失ったら、何年経とうと回復はできないものです。基本的なことのはずなんですけれど…。

投稿: あやち | 2006/10/06 19:40

つまるところ、端末代をユーザーに負担させるなら、シムロックを外せ! といったところですかね。
外国へ行って使わない人にはどうでもいいことかもしれませんが。

投稿: vodafoneユーザー | 2006/10/10 22:20

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